インプラントは一生ものではありません。オクルーザル・スクリューが人工歯根を守る。
今まで何度か 来院者の方からインプラントは一生ものという言葉を聞いた。
一体誰がそんなことを言ったのだろう。
千葉市若葉区の桜木消防署近くのピュアスマイル原田歯科クリニックで実際にインプラントを入れた方からもこの言葉を何度か聞いた。
本人が本当にそう思い込んでいるのである。
もちろん、当クリニックで歯の欠損部の治療のコンサルテーションをする時には、こんなことを言っておりません。
写真の方は、インプラントを入れてから12年たつが、歯を支える骨は全く吸収しておらず、きわめて良好な経過をたどっている。
しかし、いくら今まで12年間 Good だったからといって、今から12年間 同じように良い状態で経過するかは誰にもわからないのである。
例えば、クルマは年数がたてばたつほどトラブルやメンテナンス費用が増える。
インプラントもまた同じなのである。
ところで、人工歯根とその上にはめる柱(アバットメント)は ゆるむことがある。
これは結構頻繁にゆるむ人と全くゆるまない人に分かれる。
恐らく咬合が原因であると考えられる。
このアバットメントのゆるみは、ある意味 異常に強い力がかかったときにインプラント自体が骨との結合が失われたり、折れたりする前にアバットメントがゆるんでくれることによって、インプラント自体を守ってくれる緩衝材のような役割を果たしていると考えられている。
従って、インプラントの補綴物(被せ物)を作る時には、アバットがゆるんでも増し締めしやすいような設計で作るような工夫をしている。
また、ひとつのシステムですべての症例をカバーできるものはまだない。
今後もこの分野は進化し続けるのである。