こんにちは
引き寄せ歯医者の原田です。
旅行が好きな私で、海外にも行きますが、日本の中にもけっこう面白い場所がいっぱいあります。
そのひとつが歯に関する博物館です。
歯の博物館ですから、恐らく歯科関係者しか行かないでしょうが、昔の文化を知ることもできて楽しいです。
たとえば、江戸時代のお歯黒とか 木で作った入れ歯とかが展示されています。
日本国内にいくつか歯の美術館・博物館があります。
アメリカだとボルチモアに世界的に有名な歯の博物館があるのですが、来場していたのは私たち家族だけでした ^^;
日本国内で楽しいのは、四国は香川県にある 歯ART美術館です。
場所は瀬戸内海を見渡せる風光明媚という言葉がぴったりのところにあります。
歯に関する博物館なので、絶対に空いています。
行列しなければ入れないなんてことはありません。
もちろん一般の方に公開されています。
ちなみに同じく香川県にあるイサムノグチ庭園美術館は事前予約が必要でそれも簡単には予約が取れないようです。
この違いは何なんだ!
歯ART美術館と銘打っていますが、はっきり言って美術館というよりは博物館といったほうがよいです。
確かに外には変わった石の彫刻があるので、これは芸術作品かもしれませんが、内部にはよくこれだけ集めたと感心させられる収集品があります。
その中で印象的というか びっくりしたのは、旧ソビエトで使われていたというインプラントでした。
昔 医科歯科大学の学生だったときにソビエト医学研究会というサークルがありました。
今この名前を出すとかなり怪しげな活動をしていたのでは?
と思うかもしれませんが、当時見た会誌では結構まじめなことをやっていたのを覚えています。
当時は、アメリカとソビエトの冷戦の時代で、先に宇宙飛行をしたのはガガーリン、つまりソビエト人だったので、ソビエトという国はそれなりに科学レベルは高かったようです。
ソビエトの医学水準もそれなりに高かったことが推察され、だからソビエト医学研究会が存在したのでしょう。
ただ、歯に関して言えばソビエト人の歯が悪かったことは当時すでに世界的に有名でした。
私自身もこれに関してびっくりしたことがあります。
1985年に旧ソビエトを旅行する機会がありました。
飛行機の乗り換えで着いたハバロフスクの空港で時間を持て余していた私は空港のカウンターにいたブロンドの女性と英語で雑談してました。
モスクワは楽しかったかとか、レニングラードのエルミタージュ美術館には行ったかといった とりとめのない話をして、最後に別れるときにそのブロンド美人の口角を上げたスマイルで見えた上の前歯の銀冠はものすごいショックで、もう美人ぶち壊し。
ソビエト人の歯が悪いのは本当だったんだと実感しました。
そんな歯が悪い人たちですから、当然抜歯になることも多かったと思われます。
インプラントに対する需要も多かったでしょう。
ただ、歯ART美術館に展示されていた旧ソビエトのインプラントは見ただけでとても残念なものでした。
きっとこんなインプラントは長持ちしなかったことは容易に想像できました。
まあ共産主義で国民皆保険で医療は無料で受けられたのでしょうが、歯科に関しては後まわしにされたのでしょうね。
その後ソビエトが崩壊し、ロシアになり豊かな人も増えた今では普通に欧米のインプラントをロシア国内で手に入れることができるようになりました。
毎年開催される欧州インプラント学会でもロシアの歯科医師の参加が増えています。
歯科に関係ない人でも歯の博物館は意外な穴場です。
とにかく空いてますから、人混みが苦手な人にもぴったりです。