インプラント 血が止まった、糖尿病とインプラント、インスリンより歯周病の治療
インプラントをどうしたら安全で長持ちするようにできるかのSAFE セミナー2017 に参加したときの話をシェアします。
インプラントしたら血はすぐに止まるのか? 普通は止まります。
通常は圧迫止血します。
・ガーゼによる圧迫止血
歯科スタッフは実際に鏡で見せてやってもらうとよいです。
口頭での説明、パンフレットを渡しただけだと患者さんはわかっていないことが多いです。
・糖尿病がなぜこわいのか?
歯周疾患との関連は長く言われているが、もっとわかりやすい言葉で患者だけでなく、医療スタッフにも教育する。
雨だれ石をうがつ という言葉があるが、バイ菌 アゴを溶かす という表現がわかりやすい。
すぐには変化は起きないかもしれないが、長期間でとんでもないことになってしまう。
炎症性サイトカインは、血流に乗って全身へ播種する。
骨をも溶かす歯周病による慢性炎症。
インスリンよりも歯周治療が大切;治療コストも安い。
歯周病の肝:慢性微小炎症;歯クソ
高感度CRP で歯周病の進行度合いがわかる?
CRP は、炎症反応を把握するうえでのひとつの指標で、 特に肺炎を始めとする炎症性の疾患や感染症、腫瘍の初期検査として用いられます。
CRPとは、C-reactive protein(C-反応性蛋白)の略で、
肺炎球菌という肺炎を起こす菌によって炎症がおこったり、組織が破壊されたりすると、 この菌のC‐多糖体に反応する蛋白が血液中に出現することからC‐反応性蛋白と呼ばれます。
炎症性疾患のある場合、炎症や組織破壊の程度が大きいほど高値になり、 炎症や組織破壊がおさまってくると低下します。
・CRPと高感度CRPの違い
CRPと高感度CRPは同じ蛋白を測定しています。
これまで通常のCRP測定では、0.1mg/dL以下の量は検出できませんでした。
しかし、高感度CRPは通常検出できない微量なCRPを測定することができます。
そこで、通常の「CRP」と区別して「高感度CRP」と呼んでいます。
CRPはさまざまな炎症性疾患で高値となります。
体のどこかに急性炎症が起こると24時間以内に急増し、通常の千倍もの濃度になります。
炎症マーカーとして用いる場合は高値で臨床的意義があるため、感度は0.1mg/dLで十分です。
ところが、最近、動脈硬化は慢性炎症が関係していることが分かってきました。
0.01mg/dLまで測定できる高感度検査では、慢性炎症を持っていて将来心筋梗塞を起こすかもしれない人を見つける研究が行われています。
また、心疾患以外にも高感度CRPは新生児感染症のモニターに利用されています。
糖尿病の専門医で自身が以前糖尿病に罹患し、歯周病の治療をしたところ、2ヶ月で体重が92キロから74キロに減少し、糖尿病が完治した西田 亙(にしだ わたる)先生によると、経験的に(実際に治療した患者で)次のことがわかっているそうです。
健常者のCRPは、0.02 mg/dl 以下、
歯肉炎だと 0.04 mg/dl 前後
歯周炎だと 0.4 mg/dl 前後
なお、CRP が0.04 mg/dl 以上で心筋梗塞のリスクが2倍になります。
なので、6か月に1回の歯の定期クリーニングではダメで、3か月に1回のクリーニングをすべきと結論づけています。
ちなみにスウェーデンで行われた研究でも6ヶ月に1回だと歯周病が進行した方が出たが、3ヶ月に1回だと健康な状態が保たれたという有名な研究があります。
CRP の話に戻ると、上記の高感度CRP の読み方を一般内科医はもちろん糖尿病の専門医でも知らない方が多いという現実があります。
歯科を受診された患者さんには、「糖尿病と言われたことはありますか?」と質問して下さい。
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