正しいインプラント医の選び方
父のインプラントは20年以上、一生持ちました。
インプラントがどれくらい持つのか、よく質問を受けます。
そこで原田歯科クリニックの創業者 原田幹夫が実の父親に行ったインプラントを例にとって、インプラントがどれくらい持つのか説明いたします。
私 原田の父は70歳を過ぎてから奥歯が欠損していたところにインプラントを入れました。
後で振り返ってみるとこれは正解でした。
歯が欠損していたところの後ろと前には歯が残っていたので、両方ともすでに削ってあった歯ですからブリッジにすることも考えられました。
しかし、長い年月の間には色々なことが起こります。
歯周病が進行したり、根の周囲に病気ができたり、歯が割れたり事前に予想困難なことが時々起こります。
彼の場合も歯が欠損していたところの手前の歯の根の周囲にその後 病気ができて抜くことになりました。
つまりブリッジにしなくて正解だったのです。
もしブリッジにしていたら、その手前の歯を抜くときにブリッジをこわしてはずさなければならなかったからです。
ブリッジというのは、3本の歯をつないで作る治療法だからです。
インプラントにしていたということは、どの歯も連結してなかったということです。
つまり、治療方法がシンプルだということです。
今や人間は90歳、100歳まで普通に生きる時代になりました。
歯の治療を以前行ってから20年、30年経過するということが普通に起こります。
そうなると歯の治療では、以前に治療した歯を再度治療しなければならないことが起こります。
つまり、ブリッジで3年持てば OK 、3年たったらまたやり直せばよいというわけにはいきません。
なぜなら3年後には、今までよりもさらにたくさん歯を削らなければならなかったり、歯の量が少なくなって折れやすくなったり、歯の神経を取らなければならなくなっていたり色々なことが起こります。
つまり治療をやり直せばやり直すほど、歯の状態が悪くなるからです。
行われた治療がシンプルならば、再治療しなければならなくてもシンプルな方法で行うことができます。
彼はインプラントにした結果、その後 90歳を超えて認知症になっても自分の歯で噛むことができ、口からものを食べることができるようになりました。
認知症になって施設に入る前は原田歯科クリニックに歯の定期検診に来てました。
施設に入所後も毎週歯科衛生士さんによる訪問口腔ケアで口の中が良い状態に保たれ、インプラントもずっと機能しています。
インプラントを入れて20年以上が経過しています。
このまま行くと一生インプラントが持ったことになります。
つまり大事なことは、自分で歯に異状が感じられなくても定期的に歯の検診とクリーニングを受けることです。
これで歯やインプラントが長持ちします。
先日、50代の女性から相談されました。
お話を聞くと、ご主人様が、他の医院でインプラントを勧められていて、迷っているとのことです。 私はこの相談を受けるのが、初めてではありません。 とても、たくさんのかたから受ける質問です。 はっきりお答えしましょう。
レストランへ行って「主人が他のレストランで定食を勧められているのですが、定食っていいんですか?」という質問と同じような質問です。 コックさんのウデも違いますし、使うレシピも、違う店のポリシーも違う、お客さんの好みも違うし、お店との相性なんかもあるでしょう。
では、
『どうやって選んだらいいの?』というあなたに、特別に
を こっそりお教えします。 その前に私のインプラントの経歴からお話させてください。 私は26才で歯科医師になりました。 そして、豊島区の開業医に勤務しました。 そこの医院はインプラントをすでに導入しており、私も患者様がインプラントを入れてよかったと喜ぶ声を何度か聞きました。
しかし、当時のインプラントは、今のインプラントとは違うタイプのもので、大学の先生達の中には、インプラントに否定的な考えを持っている方もいました。(でも今は、そこの大学にもインプラント科ができ、インプラントを積極的に行っています。) 歯科医師1年生で、何にでも興味があった私は、
と直感し、ある有名なインプラント研究会に入会しました。 そこで、色々と教えてくれた先生の中には、千葉県の先生もいて、インプラントを必要としている人は、都会だろうと地方だろうと、どこにでも多勢いることを知りました。 私は昭和62年に当地で開業しました。
その後インプラント学会や、インプラントのスタディグループに加入し、インプラントの勉強を続けました。 当時は、インプラントの器具が今ほど多くはなかったので、米国シンガポール・香港・韓国などに実習に行きました。 インプラントの実習って豚のアゴでやるのです。
インプラントだけでなく、骨増生法や組織再生法、各種縫合法も豚のアゴで随分トレーニングしました。 豚のアゴは人間よりも細いですし切れやすい為、豚での実習はとても難しく、豚できちんとインプラント出来るようになれば、人間にインプラントするのはずっと簡単である、と言われています。
あるとき、大阪のインプラント・シンポジウムに参加していた私にインプラントで全国的に有名な先生が「関東からわざわざ来てくれて熱心だね!」と声をかけて下さり、そのご縁で、都内でインプラントの講演をしたこともあります。 そして、平成17年に空気クリーンシステム付 オペ室完備の医院に増改築しました。
さて、正しいインプラント医の選び方ですが、
1.コックさんのウデはどうか?
やはり、一番はそのインプラントをしている先生の技術でしょう。 でも、どうやって選んだらいいのでしょうか?最近は、ホームページとかで、経歴を公開されている先生が多いので、参考にされてはいかがでしょうか?
2.レシピは
インプラントは1種類だけではありません。 国内販売だけでも40種類以上のインプラントがあります。 値段もピンキリです。 できれば、大きな会社のインプラントを使っているところをお勧めします。大きな会社のインプラント同士は、専用のドライバーが共通していることが多いので、もし、その会社がつぶれても安心です。
VHSとベータビデオみたいなものです。 ベータビデオを買った人は、後の修理が大変です。 (参考) 3i (スリーアイ)・ブローネンマルク・アストラテック・ITI・京セラ・アンキロス
3.ポリシーは
例えば、当医院なら、定期健診に通えない人にはしない。 手術前の注意を守らない人にはしない。 と言うポリシーがあります。 インプラントが入ったら終わりではなく、そこからが、健康のパートナーとしての私たちの本当の仕事だと考えます。
4.お客さんの好みは?
どうなりたいのか、先生にしっかり伝えて下さい。 とりあえず、咬めるようになったらいいのか、思い切り笑いたいのか、痛み、腫れはガマンするのでしっかり治したいのか、痛くない方がいいのか・・・。 ちゃんと、相談に乗ってくれる先生だと安心ですね。
5.お店との相性
インプラントに限らず、「そこの雰囲気が自分に合わない」と、感じるならやめたほうがいいですよ。 どんな有名なレストランでも、全ての人が満足するようなメニューは出せません。是非、あなたの五感を使ってそこの医院とあなたの相性を感じて下さい。