先日残念なことがありました。
他の医院で実施したインプラントが7年でインプラント周囲炎になり、
抜去しなければならない状態になっていたのです。
そのインプラントは有名メーカーのものです。
手術をしたのは口腔外科出身の歯科医師です。
実はその方は、事前に原田歯科クリニックでインプラントとブリッジの相談を受けていました。しかし、他の医院のほうが治療費が安かったので、そこの医院でインプラントをされたのです。
インプラント後の定期健診、定期管理、メンテナンスは全くされてなかったそうです。
このことから学ぶことがあります。
(1)これは2016年11月15日に千葉テレビで放映された『ビジネスキャッチ』でも強調したことなのですが、インプラントが良いとか そうでないとかいう問題ではなく、どこの医院で どの歯科医師からインプラントを受けるべきかが大事だということです。
(2)有名メーカーのインプラントでも入れ方を間違えたら成功率が下がることが今回の一件からわかります。
(3)治療費が安いのは、インプラントを選ぶ基準としてどうなの?
食品だって極端に安いものは安全性を疑いますよね。まして体の中に入れるものだったら、安かろう悪かろうのものを入れて本当に良いのでしょうか?
(4)きちんと勉強、研修を続けている歯科医師にインプラントしてもらうことが大事です。 これだけ世の中の情報が増えている時代ですから4年前の知識はもはや過去のものになっていることがあります。
(5)口腔外科出身ということと、インプラントの技術レベルが高いということは全く別です。口腔外科出身なら確かに縫合の仕方などはトレーニングを受けているので、手際良いかもしれません。しかし、インプラントの知識・情報・研修は追加で学ばなければなりません。
これはある歯科大学のインプラント科の教授が本に書いていることですが、材料代、滅菌のコスト、その後のメンテナンス費用を考えるとインプラント治療費は(人件費を除いても!)40万円以上はかかります。
この方の場合、普通なら10年以上持つはずのインプラントが7年でやり直しです。
歯ぐきから膿が出る、歯ぐきがとても上に上がって見た目が悪いといった不快な状況はインプラントを撤去しない限り解決しません。
これに要する費用、通院の手間と時間、治療のやり直しにかかる費用とコストを考えたら最初から適正価格のインプラントをやっておいたほうが余程 安くて快適でした。
インプラント選びのひとつの材料にして下さいね。